2016年夏に狂乱のライヴを繰り広げた「GON and The Family Soul」が帰ってくる!
花巻在住のミュージシャンGON TAKAHASHIさんは多彩な人だ。いくつもの顔を持っているが、彼の実演スタイルのひとつに「ファンク弾き語り」というのがある。打ち込みファンクトラックをバックに、ご当地ネタでインプロヴァイズしまくるヴォーカルとベタな鍵盤プレイという、過剰な宴会芸というかファンク魂の発露というか(笑)。You Tubeでその動画を見て、バンドでやる時はぜひいっしょにやらせて欲しいと秘かに機を窺っていたのだが、それが実現したのが2016年の夏だったわけだ。
そのファンク弾き語りの中に、花巻市内の有名デパート「マルカン」の食道部名物「ナポリカツ」というメニューを歌った「ファンクマルカン」という曲がある。実際にナポリカツを食べたことがある私としてはひたすら爆笑するしかないのだが、当のマルカンが閉店してしまい、幻のメニュー、幻の曲になりかけた。しかし地元の人々の熱いラブコールに応えてマルカンは食堂だけが復活!めでたいことだが、さらに2018年春に奇跡が起こった。
なんと!GON and Family Soulが!マルカンデパートで!「ファンクマルカン」を演奏するのである!!
今回の演奏にはホーンセクションが参加しておらず、必然的にシンセ屋さんにそのお鉢が回ってくる。敢えてミネアポリスサウンドを狙う予定なのだが、そうなると欠かせないのがアナログシンセである。残念ながらRoland JUNO-106は絶不調のため物置にに隔離されているので、白羽の矢が立つのはKORG POLY-61だ。予備の何でも屋としてYAMAHA S90XSも持ち出し、POLY-61との2段重ね、しかもキーボードスタンドはアルティメイトの1本足という、気分はすっかり1982年である。
本当のミネアサウンドにするならシンセはオーバーハイムのOB-8にしないといけないのだが、そんなものはない。デジタルシンセとの過渡期に登場したPOLY-61のオシレータは何となく音が軽い(笑)。こいつをどうにかしてオーバーハイム的にしなければならない。となるとコンプとコーラスは必携である。しかし機材は少ない方が良い。
最初に試してみたのはS90XSのマイク入力だった。実はS90シリーズは北米などの弾き語りミュージシャンを相当意識したようで、マイク入力にもインサートエフェクト2種、コーラスとリヴァーブが専用で揃っている。しかも都合の良いことにPOLY-61のオーディオアウトは、High/Low切り替え付きである。当時はキーボードアンプなんてほとんど無かったから(あっても超高い)、シンセをギターアンプにつなぐのは当たり前だったからなぁ…in 1982年。
で、実際にS90XSのマイク入力にLow出力のPOLY-61を接続してみると、実に普通に鳴らすことができた。インサートしたコンプ(YAMAHA伝家の宝刀VCMエフェクトである!)もコーラスもディレイもリヴァーブもきれいにかかる。素晴らしいのはミキサーが必要ないことだ。こりゃいいぜ!とプログラムを次々切り替えてみたら、メイン出力にかかっているエフェクトも経由してしまうことが判明。つまりフェイザーをかけたクラビのプログラムに切り替えたとたんに、POLY-61にもフェイザーがかかってしまうのだった。マイク入力のアウトプットアサインをメイン以外に切り替えてしまえば良いのだが、さてどうする。
次善の策として、POLY-61をBOSS ME-80というギター用のデジタルマルチフットエフェクタ経由にしてみた。これはいつも鍵盤ハーモニカに使っているものだが、Low出力のPOLY-61もまったく問題ない。改めてキーボードアンプRoland KC-300につないでみる。ME-80のEQでハイとローを煽ってやると、80年代のアナログシンセとは思えぬほどのギラギラ加減(笑)。コーラスとディレイをかけてバキバキに弾きまくってみると、モーリス・デイが歌い出すようだぜ(笑)!
ま、オーバーハイムの音ではないが(笑)、ムードは出た。30分も通電しているとPOLY-61はなぜかオシレータがひとつだけノートオフにならず、最後に弾いた単音がかすかに鳴り続けるのだが、電源を再起動すれば無問題ですよ!3月24日はマルカンに集合!!
GON and The Family Soul in マルカンデパート
"Hate them All Fest"
2018年3月24日
マルカンビル
(岩手県花巻市上町6-2)