音楽制作家にしてギタリストの佐々木朋義から、かつて下賜されたシンセサイザーKORG MS2000。この個体唯一の難点は電源アダプターが瀕死の重傷だったことだ。アダプターのケーブルにうっかり触ったりすると電源が落ちることすらある。BOSSのフットエフェクター用ACアダプターで、出力規格がごく近いものを代用してきたが、シンセ本体にもアダプターにも良いことではないので、この度新調した。
と言ってもこのMS2000、リリースは2000年で、もはや20年選手である(Vintage Synth.comに掲載されてて軽く驚き)。デジタルシンセの場合、20年オチと言っても機能には全く問題ないが、電源アダプターのような脆弱な、しかし駆動に必須の外部パーツがダメになってしまう。20年も前の製品の電源アダプターは、純正品と言えどディスコンだ。たかが電源アダプターのせいで使えないシンセがあることは堪え難い。しかし浅学ゆえ代替品を自力で探すのも難しい。わからないことは専門家に相談しようということで、たまたま赴いた秋葉原は秋月電子通商にて、目出度く代替品を購入することができた。
他界した純正電源アダプター A30960J
特筆すべきは秋月電子の店員さん。
「楽器用の電源アダプターを探しているんですが…」
「どんなものですか?フットエフェクター用ですか?」
「シンセサイザーです。9V/600mAなんですけど…。」
「センターマイナスですか?」
マイナス極がどっち側かなんて気にしたこともなかった!口ごもっていたら
「機種はなんですか?」
「MS2000です」
「あー、KORGさん。んー、在庫あったかなぁ」
予め撮影しておいたラベル面の画像を見てもらった。
「センターマイナスですねー。同じものはないけど、同等品があったかなー」
とタブレットで店内在庫を検索。残1個だった。
「型番が違うのでプラグの形状が違うかもしれない(挿さらない、機能しない)ですけど…」
ここまでで所要時間が約3分程度。若い店員さんなのに、20年前の泡沫機種名を告げただけでここまで対応してくれたことに敬意を表して、リスク込みで購入した。
こちらが代替品 KA181。KORGのDTM周辺機材用のようだ
で、無事に機能した。いくらネット通販が発達したとは言え、充分な商品知識がない時はプロフェッショナルとの対面販売こそが最上の購入方法である。お世話になりました。
コルグ製品専用ACアダプター KA181 2,750円(税込)
今でもMS2000ユーザーはそれなりの人数がいるだろう。お役に立てればと思いエントリーした。どうぞ参考にしていただきたい。
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こういう馬鹿馬鹿しい出費が発生する上に、信頼性などほとんど無いのだから、少なくとも「電子楽器」に電源アダプターを使うのはやめて欲しい。絶対にトラブルを起こせないライヴステージに持ち出すことをためらってしまう。
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逆に言えば電源アダプターを使う電子楽器は二流品である。