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SSL SSL2+導入記2

複数オーディオインターフェイス環境を構築する

· 機材

曉スタジオにSSL社のSSL2+を導入した(このブログを書いて改めて思うのだが、製品名に社名を入れないでほしい)。製品そのものの感想はこちらに書いたとおりだが、自身のレコーディング環境に組み込む際に苦労した話を書く。

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勘違いしないでほしいのだが、この製品を単独で使用する場合は非常に単純かつラクチンである。USBケーブルでMac本体とSSL 2+を接続するだけで良い(MacOSの場合)。必須のインストールドライバなどもない。開封してから10分で使える

レコーディング環境へのインストールで四苦八苦
苦労しているのはメインインターフェイスのMetric Halo 2882とSSL 2+の共存だ。複数のモニタースピーカーを使い分ける割には、モニターコントローラーを使わないという暁スタジオ特有の事情による。プログラミングやミックスダウン作業時のモニター環境については解決したが、録音時のモニタリングについては、実はいまだに最適解が得られていない。ともあれ

使用環境をまず書いておこう。

MacPro Mid2012
Mac OS 10.13.6 High Sierra
Logic Pro X 10.14.8

ごくシンプルに2882とSSL 2+を組み合わせた多チャンネル同時出力・同時入力環境を構築したい。だが前述のとおりスイッチひとつでモニター系統を切り替えられる専用機を使用していないので(これが致命的に不便)、2882とSSL 2+それぞれにボリュームが存在し、都度上げ下げして調節する。必然的にホストDAWのメインアウトを双方に分配して出力する必要があるのだ。私が辿り着いたふたつの方法がある。構築方法を解説する。

Logic Pro Xの環境設定で出力をミラーリングする方法
1.オーディオMIDI設定.appで「機器セット」を作成する Fig.1

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Fig.1

この結果入力20/出力22という贅沢な1台のオーディオインターフェイスとして扱うことができるようになる。インターフェイスのセッティングはこれでよい。

2.ホストDAWで出力デバイスを設定する
環境設定 > オーディオ > デバイス で入力用機器と出力用機器を設定する。Fig.2 , 3

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Fig.2

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Fig.3

3.ミラーリング設定をする
環境設定 > オーディオ > I/O割り当て でステレオ出力の出力ポートを指定する。Fig.4

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Fig.4

暁スタジオの場合、プライマリーインターフェイスが2882なので(単なる好みの問題)、これまでLogicのデフォルト出力端子は2882のアウトプット1-2になっていた。しかしSSL 2+導入後はプルダウンメニューからSSL 2+のアウトプット1-2(上記fig.4では「SSL1/2」と表記)を選択する。この操作をすると初めてミラーリングのチェックボックスが実体化するのでチェックを入れる。2882、SSL 2+双方のアウトプット1-2から同じ信号が出力される。

2882の1-2を指定しているとなぜミラーリングができないのか、その理由がわからない。

あるいはこういう方法もある。

ホストDAWのメインアウトプットを分配する方法 Fig.5
1.環境設定 > オーディオ > I/O割り当て で出力先をプライマリインターフェイス(今回は2882)のステレオ1-2に指定する
2.エンバイロンメントウィンドウ > オーディオ でステレオ1-2のチャンネルスプリットのプラグインに「I/O」を挿入する Fig.6
3.OutputをSSL 2+のステレオ1-2に指定する
4.Dry/Wetの値を「0」にする Fig.7

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Fig.5

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Fig.6

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Fig.7

さすれば2882、SSL 2+双方のステレオ1-2にDAWアウトが分配される。

ここまで説明してきたように、そもそもLogicのメインアウト信号の出力先は1系統しか指定できない。またLogicのアウトプットチャンネルにBUSアウトや出力先の変更メニューはない。悪くないアイデアだとは思うが、プラグインスロットがひとつ占領されるのをどう考えるかによる。CPU占有率が低そうとは言えCPUパワーを食われることには変わりないわけだし。

せっかくなので試行したが成功しなかった例も書いておこう。

ダメな例:複数再生機器セットを作成する
オーディオMIDI設定.appで「複数再生機器」を作成する。Fig.8 , 9

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Fig.8

この機能でグルーピングされたインターフェイスにはすべて同じステレオアウトが送られる。欲しかったのはまさにこの機能なのだが、入力が無視されるうえに、出力もステレオ1系統に制限されてしまう。

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Fig.9

この設定は変えようがない。Logicの環境設定では入力と出力の機器を別々に設定もできるのだが、出力に「複数再生機器」を設定するとステレオメインアウトプットしか有効にならないため、2882のアウト3-18が無効化されてしまう。2882のアウトプット3-8をいくつかのアウトボードのセンドに、インプット5-8をリターンに充てている都合上、「入力0/出力2」では役に立たないのだ。終了。

めでたく複数モニター同時使用環境が整ったのだが、録音時のモニター環境作りという問題は残る。一気に多チャンネル録音するために2882とSSL2+のマイクプリを同時使用するケースでは、全入力の同時モニターはソフトウェアモニタリングを使わざるを得ず、当然レイテンシーの問題が発生する。これはまだ解決策を見つけていない。見つけたら報告する。まずはHave a comfort monitering!